実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『「パクリ・盗作」スキャンダル読本』

別冊宝島『「パクリ・盗作」スキャンダル読本』読了。

「パクリ・盗作」スキャンダル読本 別冊宝島 1257

「パクリ・盗作」スキャンダル読本 別冊宝島 1257

これまでに騒がれたパクリ疑惑、盗作疑惑を概観するのにはよい本(私自身ほとんど知らなかったし)。比較的パクリ擁護的な視点で書かれていて、私も「パクリに肯定的な渋谷系世代」らしいので、わりと賛同できる部分が多かった。でも、パクリにはよいパクリ(パクリと呼ぶかどうかはともかく)と悪いパクリがあると思うので(線引きは難しいが)、よいパクリには寛容だ(場合によってはどんどんやっていいと思う)けれど、悪いパクリはちゃんと議論されるべきだ。

よいパクリというのは次のようなもの。

  • 元ネタを知ればより楽しめたり、世界が広がったりするようなもの。
  • 自分の好きなものや影響を受けたもののみからパクること。
  • 自分より有名な人や自分より売れている人からパクること(常によいわけではない)。
  • パクることによって、元ネタ(の思想)を継承・発展させたり、自分の成長につながったりするもの。

悪いパクリというのは次のようなもの。

  • パクリとバレたら困るもの。
  • 元ネタの選択に基準がないもの。
  • 元ネタがほとんど人に知られていなかったり、自分より無名だったりするもの。
  • (無名な人が)タダで書いたり、無償で公開されたりしているものをパクって、報酬を受け取ったり利益を得たりすること。

それから、パクリと言われないためにはどうしたらよいかを書くんだったら、パクられないためにはどうしたらよいか、パクられたらどうしたらよいかも書いてほしかった。