実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『人生劇場 飛車角』(DVD)

『人生劇場』のDVD3枚が先日やっと来た。アマゾンって、安くなるのはいいけれど、来るのが遅すぎないか。

その中から、沢島忠監督の『人生劇場 飛車角』をDVDで観る。

人生劇場 飛車角 [DVD]

人生劇場 飛車角 [DVD]

初見は『人生劇場 飛車角と吉良常』(asin:B0009XE91O)よりあとだったので、どうしても比較してしまい、かなり低い評価になった。今回はなるべく頭を白紙にして観ようと試みたが、やはり差は歴然。気になったところを挙げてみる。

  • 飛車角を演じる鶴田浩二の髪形とメイク。時代劇のような不自然なメイクで、若い頃出ていた時代劇を連想させるのがもう若くないことを強調し、アップになるたびにたるみが気になる。髪形もヘン。
  • 高倉健演じる宮川は、全然いいところがない。若大将のような直情型で、しかもレイプ魔。任侠スターとしての地位を確立したあとの健さんだったら、こういう役にはならなかっただろう。
  • 佐久間良子演じるおとよは、受難の人という感じに造形されているとが、やたら泣きわめいて同情できない。単にドラマのために必要な役柄というだけで存在感がなく、佐久間良子である必然性もない。
  • 梅宮辰夫演じる青成瓢吉が軽すぎる。言葉遣いや喋り方がひとりだけ現代人みたいで浮きまくり。
  • 原作を読んでいないのでわからないが、かなり長い小説をかいつまんで映画化していると思うので、そういう場合にありがちなつながりの悪さや不自然さが目立つ。

のちの任侠映画に比べると斬新な終わり方と、月形龍之介演じる吉良常は悪くない。