実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『記憶する台湾 - 帝国との相剋』

『記憶する台湾 - 帝国との相剋』を読み終わる。なかなかおもしろかった。

記憶する台湾―帝国との相剋

記憶する台湾―帝国との相剋

特に興味深かった論文は次の2つ。
蕭阿勤:『抗日集団的記憶の民族化 - 台湾一九七〇年代戦後世代と日本統治期台湾新文学』
1970年代の日本統治期台湾新文学の再評価を、50年代、80年代と比較して論じたもの
呉密察:『植民地大学とその戦後』
台北帝国大学の成立と史学科の研究概要、戦後の台湾大学との学問的断絶について論じたもの
しかし、一部の論文の翻訳の質が低いと思う。いかにも直訳で、少なくとも私のような専門外の者は、「そらぁいったい何のことです?」と言いたくなる表現が多々あった。かつてゼミや輪講会で、間に合わなくて仕方なく持っていった翻訳を激しく想起させる(実際に輪講会の場面が思い浮かんだ)。